僕はここだ!

読書記録とか、ポエムとか、メモとか、コードスニペットとか。まとまったのはQiitaにも書きます。(http://qiita.com/RyotaMurohoshi) 掲載内容は個人の見解であり、所属する企業を代表するものではありません。

Unity デザイナーズ・バイブルのTilemapの章を執筆しました

 ボーンデジタル社発行・発売のゲームエンジンUnityの合同技術商業誌、「Unity デザイナーズ・バイブル」の執筆に参加しました。私は姉妹本の「Unityゲームプログラミング・バイブル」に引き続き、2Dマップエディタの「Tilemap」の章の執筆を担当しました。

 2020年6月6日発売予定です。内容に興味がある方、ぜひご予約お願いします!

www.borndigital.co.jp

Unity デザイナーズ・バイブルはどんな本?

 以下、公式ページより。

本書は、「UI制作」「モデル制作」「アニメーション」「エフェクト」など、主にゲームのデザイン関連に関わる職種の方を対象にした書籍です。

 複数名の著者が、自分の得意分野の章の執筆を担当し、各章ごとのサンプルプロジェクトを通してUnityのデザイン関連の機能を紹介する書籍です。 本書では姉妹本にはなかった「Unityとは何か」を紹介する「初級編」と、Sprite Editorなど各種基本的なツールを紹介している「中級編」が加わり、デザイナーさん向けの簡潔なイントロが追加されています。

 総ページ数は656ページ、B5変形判オールカラーで、定価は4,600円+税です。

 公式ページから、「はじめに」と「目次」が公開中です。ぜひ、予約・購入前に読んでみてください!

 ざっくりいうとこんな本です

  • Unity入門書ではありません
  • Unityを触るための一冊目としてはおすすめしません
  • 「公式リファレンス見れば十分」という方には必要ないかもしれません
  • 具体的案サンプルは機能理解のブートストラップとして役に立つと思います
  • 各章は別々の筆者がそれぞれの得意分野を書いていることに注意してください

前作のAmazonを通して紹介するとこんな本!

 姉妹本の「Unityゲームプログラミング・バイブル」には、たくさんのレビューをいただきました。

 厳しいレビュー、ありがたいレビュー、たくさんありましたが「これは良いレビューだなー」というのをご紹介させていただきます。 今作、「Unityデザイナーズ・バイブル」でも非常に参考になるレビューです。

りゅーともさんのレビューより

> 脱初心者向け 
>
> ほしい機能をチョイスしつつ、その機能がどういうものに使われているのか、サンプルを通して知ることができるというのは非常に大きいのではないでしょうか。
> しかしサンプル不要で関数や動作を理解ができるなら、公式リファレンスで十分です。
> 
> この本は、入門書をあらかた読んでいて、物足りなさを感じている脱ビギナー向けの書籍です。
> またはサンプルがほしい、けれどゼロから研究する時間がもったいないと思っている開発者向け。
> 決して機能も用語もなにも知らない初心者用ではありません。
> 
> なか見!検索で立ち読みができるのだから、レビューよりもまずそちらを見ることを推奨します。

りゅーともさんのレビューより

> 脱ビギナー本 / なか見!検索で内容を確認しましょう
>
> あまりにヒドいレビューが多いので、少々フォローしたくなりました。
> この書籍はあくまで脱初心者向けなので、これからUnityを始めようとしている人向けではありません。
> 
> 各章ごとに著者が違うため書籍としてのまとまり・一貫性には欠けます。
> 1章から順に内容を追っていくのではなく、自分の分からない部分や興味がある部分のみをピックアップして読むタイプの技術書です。
> ですので本屋で自分が欲しい内容かどうかを確認した後に、購入するのがベターかと思います。
> それなりにお値段がする書籍ですので。
> 
> また、内容自体はすでにUnityオフィシャルの中級チュートリアルなど英語で情報があったりもします。
> 英語が分かるようであればこの書籍は必要ないかもしれません。
> 分からない情報をいきなり英語で調べるのは難しいですので、本書籍で概要を把握し、それらの情報へアクセスする足がかりにするには非常に有用です。
> 
> 個人的に、NavMesh・シェーダー・Mecanim・サウンド処理あたりは参考になりました。

suzukさんのレビューより

> やや内容が散漫
> 
> 様々なtipsを取り上げようという形のため、各章と章の関連性は薄く、先進的すぎてあまり使わないと思われるtipsなども入ってしまっていてやや使いづらい。二十何個もサンプルを作っていく形ではなく、せめて3~4個のサンプルを徐々に作り上げていく形式ならもう少し分かりやすさや意義が増したかと思うが、この著者の多さでは仕方なしか。
> 
> 目次を見て、まさにこの内容を知りたかったんだと思う章がある人なら買って良いと思う。

woodyさんのレビューより

> 初心者が最初に買うべき本ではない
> 
> これからunityを学ぼうという初心者が最初に買うべき本ではないのでご注意。
> 私は初心者にもかかわらずこの本を買ってしまったので、頑張ってunityを学び早くこの本を理解できるようになろうと思います。

Amazon カスタマーさんのレビューより

> 基礎を知ったアマチュアUnityエンジニアがエキスパートになるために必要な本
> 
> 星1評価のレビューを眺めましたが的外れなことが多いなと感じたので書いてます。
> まず、これは初心者向けのものではないです。自分自身Unityを弄って3年を過ぎたあたりですが、高専に通いつつなため自分が使うスキルのみを鍛えてました。が、偶然本屋で見かけて中身を見て一目惚れです。今まで穴が空きまくっていた自分のスキルの穴埋めをするような形で様々な技術をサンプルを交えつつ説明している方式ですので知りたいものをピンポイントで読めます。
>
> 本のタイトルにもあるようにエキスパートへの扉を開くというのはこういうことなのかなと思いました。
> 
> 多分自分も初心者の頃では全く意味も分からなかったと思いますが、今では使っていなかった技術や習得がめんどくさそうで避けてきた技術を学ぶことができる大切な本です。
> 
> 星1の評価をつけた方は初学者と書いてあったのでUnityを使い慣れて色々作ってくるとこの本の真の価値に気付けるのではないかなと思います。
> 
> 最後にくどいようですがアマチュアUnityエンジニアが一皮むける本ですので、基礎を知りたい方は違う本を推奨します。

小林信行さんのレビューより

> Unityビギナーから卒業したい方、もしくはすでにゲーム業界で仕事をしている方にお薦めです
>
> タイトルの通り、Unityビギナーから卒業したい方、もしくはすでにゲーム業界で仕事をしている方にお薦めの本です。
>
> 海外ではこの手のしっかりしたUnity中級本が何冊か出ていますが、日本でこのレベルの本が企画を通り、実際に出版されるのは本当に珍しいことです。出版不況の状況下で、まずはその心意気に感心。
>
> 続いて扱っている内容。各章毎にそこで学べるUnityの機能が上げられており、さらに前後の章との連携がしっかりとある作り。つまみ読みをするにも良し、一気に全部読むのも良し。特にUnity2017以降の知識が心配なプロなら、一週間ぐらいでざっとおさらいするだけでも価値があるでしょう。しかも書いている筆者は、Unite Tokyoなどでも登壇の経験があるUnity開発者コミュニティの代表人物ばかりです。ちなみにUnite Tokyo 2018の会場販売では、手に取った人が皆、即その場で購入を決めたために、あっという間に売り切れたものです。
>
> 最後に全編がフルカラーであること。出版社さん、本当に頑張りました。凄いですね!このあたりどうしても原価を考えると白黒にしちゃうんですよね…羨ましい!
>
> 僕が知っているだけでも、これだけの単元とサンプルを網羅している本は、日本語ではちょっと思いつきません。
> 自信を持って星5つを贈らせていただきます。

 みなさんレビューありがとうございました。

 レビューでみなさんも書かれていますが、先に書いた以下の内容をもう一度掲載します。

  • Unity入門書ではありません
  • Unityを触るための一冊目としてはおすすめしません
  • 「公式リファレンス見れば十分」という方には必要ないかもしれません
  • 具体的案サンプルは機能理解のブートストラップとして役に立つと思います
  • 各章は別々の筆者がそれぞれの得意分野を書いていることに注意してください

 ただ、「あぁ、この機能勉強したっ買ったんだ!」という機能がいくつかあれば、ぜひ検討してみていただけると嬉しいです。

Tilemapと内容と自分

 UnityのTilemapは、2Dマップを作るための機能です。 アクションゲーム、戦略シミュレーションゲームローグライクゲーム、そしてロールプレイングゲームなど、幅広いジャンルのゲームで活用できます。 また、Tilemap は自分が作りたいマップに合わせた機能拡張が可能です。

 Unite 2016のセッション「ビルディング・2Dワールド in Unity ~2D機能のあれやこれや~」で初めてTilemapをみたとき、「早くこの機能がUnityに欲しい!すぐ欲しい」と一瞬で虜になりました。 それ以来、いろいろな勉強会でTilemapを紹介したり、ブログで取りあげたり、Unity部の技術同人誌UniBookで取りあげたり、単著技術同人誌をTilemapをテーマに書いたりしてきました。 2018年に発売した姉妹本「Unityゲーム プログラミング・バイブル」に引き続き、今回「Unity デザイナーズ・バイブル」でも、Tilemapを紹介させていただく機会をいただきました。

 私が担当した章では、Tilemapの基本的な使い方、要素と概念、拡張例を紹介しました。 なお、SpriteやSpriteRenderer、SpriteAtlasなどを使ったことがあり、Unityでの2Dゲーム制作にある程度慣れている方を想定しています。

 ライブラリとしてUnity公式の2d-extrasを、サンプルプロジェクトとしてUnity公式の2d-techdemosを紹介しています。 他の方はサンプルプロジェクトを作っているようですが、私は2d-techdemosを活用させていただくことにしました。 代わりに、改善できる点があったので何回かPull Requestを送り、いくつかは採用をされました。

 実は内心書き終えたこのタイミングで、2d-extras2d-techdemosに大きな変更が入らないかビクビクしています。 読者の方が利用するサンプルはバージョン固定し書籍の内容と一致するように準備します。 また、Gitを使わなくてもダウンロードできるように準備します。

まとめ

 前作を気に入って今作も欲しい方、公式ページの「はじめに」と「目次」をみて良さそうだと思った方。

 ぜひ、こちらから予約・購入をお願いします。

蛇足

 2018年に発売した姉妹本「Unityゲーム プログラミング・バイブル」が発売してしばらく経った後のこと。 本を書いたことについて何も教えていなかったはずの父が、どこからかそれを見つけたらしく「本書いたのか!?」と喜んでくれたことがとても嬉しかったです。 f:id:MRStar:20200511021811p:plain